- 2006/09/18
- 執筆者: Yamaoka (3:00 pm)
裁判所(東京高裁)、顧客に虚偽報告書を渡していたと認定――で問われる、海外ファンド「インペリアル」今津雅夫元社長

もっとも、舞台が英語圏の海外であり、また投資資金はオランダやグレナダなどの銀行口座を行き来しているとされるが、司法当局でもない以上、その動きを追うことははなはだ困難ななか、どうやって被害者側は勝訴したのか、入手した1件の判決文(個人分)を紐解いてみたい。
鹿児島在住のS氏は総投資額ははるかに多かったが、訴訟の請求額は1100万円に止めた。それは、インペリアルが破綻し、管財人により同口座が凍結された後に投資した分だった。
実はこの1100万円を預かったグループの今津雅夫・日本代表(当時。写真)は、S氏に対し、その預かり資金を運用する会社の口座に、同額振り込まれているとする「着金報告書兼運用開始報告書」等を渡していた。
同報告書によれば、その1100万円を運用会社が受け取ったとされるのは2003年4月30日。だが、インペリアルの口座はそれより前、4月25日には管財人により凍結されていた。したがって、物理的に振り込みようがないのだ。
そこで裁判長は、その報告書は「虚偽の事実を記載したものだった」と認定した。
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