• 2009/07/21
  • 執筆者: Yamaoka (5:20 am)

<心声天語>(134)本当の幸せとは?

インドと中国にはさまれた「ブータン」は、「貧しいながらも幸せな国」として知られている。チベット仏教を国教とするブータンは、独自の文化と伝統を守りつつ、国民総生産にかわる「国民総幸福量(GNH)」という概念を取り入れ、それに添った「国づくり」をしてきた◆ブータンの一人当たりの国民所得は2000年代初めまでは数百ドルに過ぎながったが、最近は5000ドルに成長した。ところが、所得は増えても「幸福度意識」は逆に低下した。英のシンクタンクが三年前に発表した国別幸福度指数(HPI)でブータンは世界8位だったが、今年は17位となった◆数年前までのブータンは、チベット仏教の教えと農作業に励み、家族の絆、伝統、精神的糧を大切にしていた。しかし、経済発展にともなう近代化の波がブータンを急速に変貌させている。山間部の村にまで普及したテレビを通じて物質文明を知った人々は、「便利」「贅沢」に目覚め、欲するようになってしまったのである◆米経済学者が1974年、所得が向上しても、必ずしも幸福には結び付かない、という論文を発表した。それによると、1950年から20年間、日本の国民所得は7倍に増えたが、一方で生活の満足度は、国民所得が最下位グループに属する「バングラデシュ」と同レベルにまで低下している◆人間誰しも、「幸せな人生」を送るために励み、頑張っている。ところが、「所得の増加」と「幸福感」は、反比例する。今年の国別幸福度指数で1位となったのは、中米のコスタリカ、日本は75位、米国は最下位に近い114位だ。「幸せは金で買えない」と言っている人たちでさえ、「本当の幸せ」がなんであるかを、忘れてしまっている。(和光)
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