• 2013/03/11
  • 執筆者: Yamaoka (5:01 pm)

「検証 福島原発事故・記者会見2――『収束』の虚妄」(木野龍逸著。岩波書店)

 あの「3.11」から2年が経ったが、福島第一原発事故については早くも“風化”の兆しが漂っている。その要因のひとつは、昨年末の野田元首相による「事故収束宣言」にあるだろう。
 だが実際には「収束」には程遠いのが実情だ。『検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか』の続編である本書は、そのことを告発している。
 たびたび漏出する放射能汚染水だが、それは溜まり続け、置く場所もなくなりつつある。原子炉建屋内部は、高線量で人間が近寄ることすらできない。これでどうして「収束」したと言えるのか(写真は3月9日、東京で開かれた「つながろうフクシマ・さようなら原発」集会)。
 しかも、東電は事故の張本人であるにも関わらず、相変わらず情報開示をためらっている。事故発生当時のテレビ会議の様子がようやく一部公開されたが、これにしても著者らジャーナリストが記者会見において東電に執拗に追求した結果である。
「テレビ会議の録画映像は、未曾有の原子力災害を引き起こし、近隣のみならず日本全体に多大な影響を与えた東電が、事故直後にどのような対応をとっていたのかを明らかにする重要な一次資料である。『社内資料』『プライバシー』『了承がない』といった理由で公開を拒むことが許されるのだろうか」(第4章 情報“非”公開)と著者は批判する。東電はいまだに事故の社会的責任を感じていないと思わざるをえない。何を、どう公開するかを決めるのは「加害者」の東電であることに、そもそも矛盾があろう。

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