• 2018/06/04
  • 執筆者: Yamaoka (1:20 am)

≪連載(85回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月4日〜6月8日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
 先週金曜日に発表された米国の5月雇用統計は、失業率3.75%、インフレ率は2ヶ月連続2%近辺(※エネルギーと食料品を除くコアインフレ率は前年比+1.8%)まで到達し、賃金の伸びは緩やかながらも上向くという、想定以上の数値がでた。すでに好況に沸いているアメリカ経済がさらにブラシュアップした形で、特に失業率の低さは、50年ぶりのことだという。
 この結果、週中に突如やってきた「イタリア政治不安ショック」から立ち直り、NYダウ+219ドル高、日経平均先物も大きく買われて22,378円。先週はこの一撃で、週間−73円のまったり弱含み相場ですんだことになる。
 筆者の認識としては、イタリアのポピュリズム連立政権は、そもそも極右と極左の寄せ集めであるためうまくいくわけがなく、ユーロ離脱含みであることも折り込み済みなはずで、こうまで騒動が大きくなったこと自体がサプライズだと考えていた。よって悪地合いの中でポジション調整ができておらず、ホ―ッと一安心である。
 しかし、ナスダックに至っては直近の揉みあいを上放れ、3/13につけた史上最高値7637ポイントを目指せる7557ポイントで引けており、この指数が強ければいずれ日本のハイテク株にも恩恵があることは間違いがなく、この点だけとってみれば楽しみでしょうがない。
 ただ、現在のNYダウの弱含み推移が正しいのか? ナスダック指数の上値追いが正しいのかは、現時点では判断がつかないため、はっきりするまでは様子見がベストだとも考えている。
 それと備忘録を。雇用統計を直前に控えた時刻に、トランプ大統領による「8時半の米雇用統計が楽しみ!」とのツイートがあった。これだけなら特に問題がなかったように思えるが、その後、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、「トランプ大統領は前夜には数字を把握している」と発言。よって、トランプ氏のツイッターにはこれまで以上に注意を払う必要があるだろう。
 さて、今週のストラテジーに移りたい。今週は、トランプ米国が、各国に貿易戦争を仕掛けている最中。そんななか日本市場では「メジャーSQ」があるといえば、日経平均株価の不安定さは容易に想像がつくのではないだろうか。
 それに今週は、イタリアのポピュリズム連立政権【五つ星運動(極左)・同盟(極右)】誕生のファーストウィーク。同盟のサルビーニ書記長や、五つ星のディマイオ党首が発言しようものなら、やれユーロ離脱気運の高まりだ、と株式市場に負の圧力がかかるだろう。結果、多重債務国であるイタリア国債が売られることになり、延いてはユーロ売り円買いの動きがでて、円高進行となるシーンが目に浮かぶようだ。
 また週末には、G7首脳会議が開催される。米国が仕掛けた、アルミ・鉄鋼への輸入関税に対して、EU・カナダは報復関税のかまえをみせており、具体的な対策が話しあわれることになるだろう。よって、週末にかけてはポジション調整の売りがでることも間違いない。ようするに今週は日本の株価が上がる予想が立てづらい週なのだ。
 さらには米国は中国に対し「知的財産権侵害に対する制裁関税」の最終案を6月15日までに発表するとし、「速やかに発動」と宣言。5/21に制裁関税は一時留保する、という方針を出したはずが手のひら返しもいいところだ。たたみ掛けるように、「中国企業の対米投資を制限する制裁案」も6月末までに発表、ときたからそら恐ろしい。現在〜4日(月)の日程で、米国ロス商務長官が訪中し、通商協議をしている最中。おそらく中国側は商売のお得意様である米国を怒らせることは避け、さらなる妥協案を公表することになるだろうが、これが違った反応を示したら大パニックを呼ぶだろう。仮に中国側が、徹底抗戦する構えでもみせたら、まさに貿易戦争の号砲が鳴る。こうなったら大急ぎで資産の保全を急ぐべきだろう。
 その下方向に向かう目安、として今週取り上げたいのは「75日移動平均線」。先週、「日経平均株価がこのラインを割り込まなかった」、とはよく目にしたニュースである(※残念ながらトピックスに関しては割り込んだ)。これを今週も指示線として使わせていただきたい。すると目安は、日経平均株価の22,000円割れ水準とみてよいだろう。トピックスで考えるならば、22,150円あたりが目安となるので、かなり下に近いところだ。
 下値の目途については、為替水準と睨めっことなるが、よっぽどのことがない限り21,600円を下回るような暴落とはならないだろう。PER13倍×EPS1662円=21,606円という数字も下値の支持線として強く機能するはずだ。よって今週は、下方向の揺さぶりに気をつけながら、テクニカルの項で後述している理由により、マザーズ・小型株の動向をよくウォッチする週としたい。
 最後に、貿易戦争さえ起らなければ、株価は企業業績にもう少し寄り添うはず、との思いから、米国が仕掛ける貿易戦争終結の目途となる、トランプ政権の「支持率」について記しておく。この貿易戦争は11月6日に投開票となる中間選挙へのアピールの場だということは周知の事実である。現在はトランプ大統領の支持率は44.4%、不支持率は52.8%、政党別では民主党43%、共和党39.8%のようだ。一時期の低迷から考えればだいぶ支持率を伸ばしているようだが、まだ物足りない水準。「米国中間選挙に向けて、共和党優勢」などの報道があった時、それは株式の買い場であることを忘れないようにしたい。

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