- 2019/01/15
- 執筆者: Yamaoka (1:02 am)
≪連載(115回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(1月15日〜1月18日)&MY注目銘柄

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は20,360円で引け、先週末比+345円高となった。週間ベースでは6週ぶりに先週比でプラスとなり、ようやく相場はパニック状態を脱し、落ち着きを取り戻してきたようだ。特に、週末金曜日の日本市場はオプションSQだったため、寄り付き後の動向を気にしていたが、SQ値20,291円に対し、一度もこのラインに抵触しないという強い動きをみせた。 また、10日(木)引け後に発表された「安川電機(6506)」の決算は小幅な通期下方修正付きで、かつ中国関連の受注はたいへんマズイ状況が示されたが、翌日の株価は+1.93%と上昇している。この銘柄の動向が相場の雰囲気を現しているといえるので、今週も監視銘柄とするのがよいだろう。
さて、さっそく今週のストラテジーへと移りたいところだが、現在のところどういう動きをみせるか、筆者には予想できないでいる。 先週は反発局面を迎えたが、世界的に売買高は乏しく、リスクオンの「リ」の字もなかったのが実情だ。また、日本の祝日である15日(祝)には、12月中国貿易収支が発表され、輸入が前年同期比予想+5%だったものが⇒ −7.6%、輸出が同予想+3%⇒ −4.4%となり、特に輸入の落ち幅がすさまじく、現在、世界の株価はショック安となっている。立て続けに、中国2018年度の12月乗用車販売台数も発表され、前年同期比−15.8%と、11月の−13.9%を越える悲惨な数字。年間トータルでも−6%。これは1990年以来の前年比割れで、28年ぶりのマイナス転落であるという。ただ、これらの数字はこれまでの中国経済指標からある程度予見できていたはず。となれば今週、市場のマインドを温めるようなイベントがあるかどうかにかかっている。

逆にポジティブなほうでは、米中貿易戦争で、さらなる進展がでてくる可能性がある。9日(水)に終了した米中次官級の通商協議に続き、中国・劉鶴副首相が、月内に通商協議で訪米することがほぼ確定しているようだ。訪米するとなれば手土産が用意できたということであり、米国と中国の対話がうまくいっている、というムードが高まれば、株価にとって大きな支援材料となるだろう。
また株価の支援材料として大きいのは、米国VIX指数もそう。とうとう分水嶺となる20ポイントを下回り18.18まで低下した。リスクパリティファンドのアルゴ売りにはさんざん苦しめられてきたので、素直に好感できる。今週以降もこの数字には目を配りたい。もう1つ、米国の経済指標で16日(火)に、12月小売売上高の発表があるが、米国の年末商戦は非常に素晴らしい数字だった以上、今回は株価にプラスに働くと思われる。
ただ、現段階ではまるでリスクオンの気配はでていないことは前述のとおり。よって今週は、英国のEU離脱協定議会採決後、16日の日本市場の反応を見定めて、判断をするのが適切だと考えている。決算前だということもあり、偏った動きがでる可能性もある。その場合は上方向を期待したいが、売買代金を伴って上に行く流れとなる可能性は薄く、そうなっていなければ当然、新規の買いは控えたほうが無難だろう。


先週、本稿で注目をしたマザーズ指数に関しては、先週末に890ポイントで引け、先週比+63ポイント。こちらのほうが大型株よりも安定感のある大きな戻りで喜ばしいかぎりではあった。売買代金もこの市場に関してはしっかり増えていたので、現段階では注目できるが、米国がリスクオフとなればリスク資産の最たるものとして、この市場が真っ先に叩き売られることは忘れないでおきたい。また今週はさほど気にする状況ではないが、1月下旬以降は決算発表が始まる。売られすぎた市場であるため、当たれば反発も大きいことは否めないが、よほど業績に自信が持てなければ、個別株の決算またぎはご法度である。
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