- 2019/11/13
- 執筆者: Yamaoka (11:12 pm)
<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第6回「和田誠との思い出」
それで思い出すのは1992年のこと、実は小生、和田誠に直接会いに行って、少しだけどお話もして、貴重な「作品」をお借りしたのだ。
当時、小学館の「サライ」で名画座特集をやることになって、その企画から取材・執筆まで手がけたのである。
その頃はまだ、東京に文芸坐、並木座、早稲田松竹、亀有名画座、大井武蔵野館、浅草新劇、浅草名画座なんて、個性的な名画座が残っていて(文芸坐はリニューアル、早稲田松竹も健在)、訪ねていって館主の話を聞いたり昔の貴重な資料なんかを提供してもらった。
そんななかで、その頃にはもうなかった新宿日活名画座(1972年に閉館)のポスターを探し出そうということになった。なぜここのポスターにこだわったかというと、あの和田誠が毎回デザインを担当していたというのだ。その話は、映画好きの間で伝説のように語られていたので、こうなったらダメもとで和田誠本人に頼んでみようと、仕事場に出向いたのである。
ところが、ドアを開けて出て来たのは本人ではないか。巨匠のオーラというよりは、仕事の合間にふらっと「どうだい景気の方は」なんて話しかけてくるような気さくなおっさんという感じだった。
で、用件をあらたまって言うと、「ちょっと待って」と言って、しばらくしたら大きな箱を持ってきた。「このなかから良さそうなの選んでよ」だって。中身を見ると、毎回映画館でくれるスケジュールなどを書いたチラシがたっぷり。そこに和田誠のイラストが描かれている。
たとえば上映中の作品が『クレオパトラ』なら、イラストで主演のエリザベス・テイラーがそれらしく、『アパートの鍵貸します』だと、ジャック・レモンのイラストとか、それはそれは贅沢なチラシなのだ。
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